街に雪が降った。

街に雪が降った。
ほとんどの雪は、昼間に差し込む太陽によって溶けてしまっている。けれども、路地の端や、住居の裏など、人の視界の隅には残るような場所に雪はまだ残っている。
その雪をみると、僕はひどく気持ちが悪くなる。
それは、この街に生まれた汚れた塊のように見えるからだ。
その中には僕には得体の知れない(知る由もない)事象、あるいは表面的にきれいな物質で覆うしか方法がない気味の悪いものが隠されているような気がするのです。

僕は雪解けを待つ。
けれども、また「雪」はしんしんと降ってくる。