国境の南、太陽の西

どうしても好きな小説。

村上春樹の作品がとても好きなのだが、僕の中でこの作品が一番なわけではない。けれども折に触れて、何度も読み返したくなる作品。

 

もしかしたら、主人公ハジメが村上文学には珍しく、36歳とちょっと高めの年齢だからかも知れない。少なくとも、僕はハジメくんの年齢を超すまでこの本を読み続けるだろうなという直感がある。

 

2013年、資本主義が世論では重要視されていて、他の意見は矮小なものとして扱われ、価値の無いものとして存在するように在る。

1987年、資本主義が台頭し、理想主義は飲み込まれていった。

 

僕は彼の作品に、資本主義という社会システムへの抵抗を感じる。

そして、僕が感じてることを25年前の作品が彼は語っているのだ。

 

2028年、より高度に洗練された資本主義が僕達をシステムとして取り巻くのだろうな。

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)